姫路レザーとは何か|革の魅力と特長を解説
世の中には様々な種類の革製品があふれていますが、その一種である「姫路レザー」をご存じでしょうか?もしかすると一度はお聞きしたことがある方もいるかと存じますが、なかなかその特徴まで知る機会は少ないですよね。
今回はメンズ雑貨店TAVARATにて豊富なラインナップを展開している「姫路レザー」について解説いたします。ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
姫路レザーとは
日本で一番革の流通量が多い地域
日本で一番革の流通量が多い地域は、兵庫県姫路市・たつの市です。
その量は国内流通量の7割近くのシェアを誇るといわれています。その地域で平安時代から伝統的に生産されているのが「姫路レザー」です。
そのため会社や職人の違いではなく兵庫県姫路市で製造された革が「姫路レザー」という認識です。
ただし、姫路レザーもレザーの加工方法である鞣し(なめし)の過程でその特徴や質感が変化します。次はその鞣し(なめし)についてみていこうと思います。
皮から革へ
鞣し(なめし)について
ここからは鞣し(なめし)について説明させていただきます。
姫路レザーは用途によって鞣し(なめし)と呼ばれる加工方法を変えています。この鞣し(なめし)により完成時の革の質感が大きく変わるため革の製造では大変重要なポイントになります。
鞣し(なめし)とは、動物から採集した皮から財布や靴などの一般的な革の状態へ加工していく作業のことです。
動物から採集した皮を放置したままだと腐敗したり、硬くなったりしてしまいます。そういった皮に対して鞣しを行うことで持続的な耐久性や柔軟性を与えていくことができます。
さらに詳しく鞣し(なめし)を見ていくと様々な手法を見ることができます。今回は主流の2種類の方法についてみていきたいと思います。
クロム鞣し
クロム鞣しとは塩基性硫化クロム塩と呼ばれるクロムを含んだ化学薬品を用いたやり方のことを表します。
このやり方は1800年代にドイツで開発されたやり方で、第二次世界大戦期に軍靴などの需要増加に伴って一般的な手法として広まりました。
ドラムに皮とクロム薬品を入れ回転させて、一気に鞣しを行うのが特長です。シンプルな工程かつ作業効率が高いため量産する際のコストが低いのが特長です。
タンニン鞣し
植物タンニンを用い、鞣しを行う手法です。クロム同様にドラムにて行われることが一般的ですが、「ピットタンニンレザー」はピット槽と呼ばれるプールでタンニンを浸透させています。
このプール槽を持つタンナーは、姫路でもほとんど残っていません。
TAVARATで扱う姫路レザーは殆どがこの「ピットタンニンレザー」を採用しています。
ピットでのタンニン鞣しは約1ヶ月という長い時間をかけて植物タンニンを浸透させていきます。その歴史は古代エジプト時代にさかのぼると言われていますが、非常に手間と暇がかかります。
この手法のメリットとして革繊維が固く締まっており、油分が多く含まれるため曲げに強いといった特徴があります。
また、TAVARATのピットタンニンレザーは最後の仕上げを染料のみで行っています。
そのため革本来の自然な風合いを味わうことができ、また革製品の愛好家の方が好まれる経年変化がお楽しみいただけることも特長です。じっくり長くお使いいただくことによって色艶が深くなり、唯一のオリジナルの質感へと変化していくのも特徴です。
まとめ
今回は「姫路レザー」についてまとめさせていただきました。特長をお分かりいただけましたでしょうか?
TAVARATが特に姫路ピットタンニンレザーを多く使用する理由として、革本来のナチュラルな質感をお楽しみいただけることとじっくり長く革製品をお楽しみいただけることがございます。確かに製法によって異なる特徴や風合いがありますが、どの製法でも様々な魅力があるためあなただけの魅力を発見してみるのもいいと思います。
最後に、姫路レザーは日本の誇るべき伝統工芸品の一つであり、その品質の高さと美しさから世界的な評価も得ています。ぜひ一度、姫路レザーを使用した製品を手に取って、その魅力を感じてみてください。